シェフのこだわり
シチリア産ブラッドオレンジジュースで酸味を引き出してマリネした鱸の地中海風南蛮漬け。赤ワインヴィネガーにブラッドオレンジのすっきりとした柑橘の甘酸っぱさが加わり、さっぱりと召し上がれます。
大き目の鱸の切り身を使用しているので食べ応えも十分です。
エスカベッシュとは
揚げた魚をマリネソースに漬けて味わうスペイン発祥の料理で、日本料理の「南蛮漬け」です。料理方法はほぼ同じで、マリネソースがエスカベッシュはビネガーやオリーブオイルを使用し、南蛮漬けは二杯酢や三杯酢、甘酢を使って漬け込みます。
8世紀ごろにスペインで生まれ、イタリア・フランス・ポルトガルなど地中海沿岸の国々で親しまれており、地中海料理代表的な料理となりました。
鱸
生後4年以上経ち魚体が大きくなったものが「スズキ」と呼ばれ、稚魚を「せいご」、少し成長したものを「ふっこ」といい、成育につれて呼称が異なるのでブリなどと同じ出世魚です。真鯛・ヒラメといった白身魚に匹敵する高級魚で、刺身で食べると身がしっかりして甘味もあります。焼いてよし、煮てよし、炙ってよし、揚げてよし、といろいろな調理法で楽しむことのできます。
またビタミンAの含有量が多く、そのほかビタミンDも皮の部分に多く含まれているので皮ごと調理することがよく、オレイン酸やパルチミン酸も豊富という優秀な魚です。
鱸の食材の最大限に活かし、皮ごと揚げて「鱸のエスカベッシュ」にしました。
シチリア産ブラッドオレンジジュース
ブラッドオレンジは果肉がその名の通り血のような赤い色をしています。赤い色はアントシアニンによるもので、一般的なオレンジに比べると抗酸化効果が高いを言われています。
代表的な品種として「タロッコ」「モロ」の2種類があり、スペインの「サンギネロ」が変異してできたとされるイタリアが原産地の「タロッコ」は「モロ」と比較しても果実が大きいのが特徴で、味は酸味より甘みが強くジューシー、果肉の色もやや薄めです。
「モロ」はシチリア島東部のカターニア地方が原産で、「タロッコ」と比べても赤味がとくに強いことが特徴です。味は甘みと酸味のバランスがよく、調和されており味わい深いなので、2種類を使ったブラッドオレンジジュースです。